「強制は絶対にせず、自主的に使ってもらうことを徹底し高利用率を維持」
佐々木総研様のUnipos活用
■今回、お話してくださった方
グループ代表 佐々木大 様
総務課 河内美穂 様
■基本情報
利用人数:50名
利用開始:2020年9月
平均年齢:39歳
業種:経営コンサルティング
特徴:税務や会計、人事など分野を問わず経営の悩みを解消する「経営のよろず相談屋」
■目次
- "周りに頼りにくい"心理的安全性への課題とリモートワークにより社内が見えなくなることの懸念
- Zoomでは対面を代替することは難しかった
- 決め手は「インターフェース」と「インフレを起こさない仕組み」
- 全社導入前にメンバーを絞ってスモールスタート
- 使用を強制せず、メンバーの自由意志を尊重
- 社内が可視化されリモートワークのデメリットが補えただけでなく、今まで見えていなかった意外な嬉しい発見も
- マネジメント面でもUniposを有効活用
- お客さまの声もUniposを通じて見えてくるようになった
- Uniposで新入社員への歓迎も
- 導入推進リーダーは周りへのプレッシャーにならない塩梅で、利用の幅を広げるようなお手本となる
- ハッシュタグの有効活用で楽しく飽きを防ぎ、名投稿まとめを使った「ピックアップ39(サンキュー)」や毎月の表彰で利用率を維持
- Uniposは“誰一人置いていかないDX”を支援する仕組み
"周りに頼りにくい"心理的安全性への課題と
リモートワークにより社内が見えなくなることの懸念
――Uniposを導入するきっかけとなった組織課題は何だったのでしょう。
佐々木:課題は2つありました。1つ目は当社の事業の特徴によるものです。当社は創業49年の経営コンサルティング会社で、税務や会計、人事など、経営の悩みを解消する「経営のよろず相談屋」として事業をおこなっています。税理士や社会保険労務士など様々な専門家が在籍しており、連携してお客さまの経営のお悩みに対応しています。
もし、担当者がお客さまから自分の専門外のご相談を受けたら、本来はその分野が得意な者に相談するべきです。ところが、担当者は専門家であるがゆえに「知らない」と言いにくいプレッシャーもあるのか、専門外のご相談でもなるべく自分で対応しようとするケースが少なくありませんでした。
決して社員同士の仲が悪いわけではありませんが、「知らないことを『知らない』と言いにくい」という意味では心理的安全性に課題があったのだと思います。
もう1つの課題は、コロナ禍でリモートワークを導入したことです。感染状況に応じて変わりますが、現在は概ね社員の8割以上がリモートワークで働いており、全員がオフィスにそろうことはまずありません。リアルに1年半以上顔を合わせていないという社員もいる状況になってきました。そのせいで、同じオフィスにいれば何となく見えていたメンバーの活躍や貢献が見えにくくなり、社内で分断が起きることを懸念したのです。
この2つの課題を解決するためのソリューションとしてUniposの導入を決めました。
Zoomでは対面を代替することは難しかった
――Unipos以外の施策は検討されましたか。
佐々木:特に珍しい施策ではないと思いますが、Zoomを活用しました。たとえばコロナ前に実施していた朝会や、月1の全体会議、1on1、週1回のコンディションチェック面談など、対面できなくなった分、Zoomでコミュニケーションを多くとるようにしました。
ただ、Zoomでは事務的なやりとりはできても、雑談やちょっとした感謝を伝える場にはなり得ませんでした。そこで注目したのが、対面のよさであるウェットなコミュニケーションを実現できるUniposだったのです。
決め手は「インターフェース」と「インフレを起こさない仕組み」
――Unipos以外のソリューションは検討されましたか。
佐々木:別のピアボーナスサービスや、グループウェアに付属する同様の機能などを比較検討しました。その結果、Uniposは2つの点で優れていると感じました。
まず、インターフェースです。堅苦しくなく、気軽に楽しく使えそうなところが気に入りました。そして、インフレを起こさない仕組みが実装されていることです。Uniposは送れるポイントの上限が週に400ポイントと決まっています。使い切らないと翌週には消えてしまい、繰り越されません。もし、この仕組みがなければ、どんどんポイントが積み上がってしまい、10000ポイントたまってしまうなんてこともあるかもしれません。こういった設計がしっかりと考えられているのがUniposのよさだと思いました。
全社導入前にメンバーを絞ってスモールスタート
――どのように社内への導入を進めていかれたのでしょうか。
河内:社内への導入は、私を含む導入推進チームと現場浸透チームをつくって進めていきました。現場浸透チームには、全体導入の前に1ヶ月間Uniposを使ってもらって使い方などを把握もらいました。その後、全社導入にあたっては、私が全社に向けてUniposの導入の背景などを説明しました。そのとき言葉足らずだった部分などは現場浸透チームのメンバーが補足してくれたので助かりました。
――Unipos導入の理由をどのように説明されたのでしょうか。
河内:「全体会議で名前が挙がり称賛されるのは案件のメイン担当者だけですが、担当者以外にも年齢や部署に関係なくたくさんのメンバーが関わっていて、日頃の積み重ねで契約が取れています。Uniposでそういったメンバーの貢献を可視化しましょう」と説明しました。それまで、仕事で助けてもらったときなど、当事者間ではもちろん感謝しあっていたのですが、周囲に貢献が広まることはそれほど多くありませんでした。そのような社内の貢献や感謝を広く共有したいのだという意義をメンバーに伝えました。
佐々木:導入推進チームのリーダーを河内にお願いして大正解だったと思います。河内は社内から慕われていますし、社長の私が「使ってくれ」と言うと強制感が出てしまいますから。河内がうまく呼びかけて、皆の共感を得てからスタートできたのがよかったですね。
▲導入時の説明資料
――現場浸透チームの皆さんはどのような基準で選出されたのでしょうか。
佐々木:ポイントは2つです。まず、オープンマインドで周囲も「この人にはいろいろ聞きやすい」と思えるような人であること。もう1つは、「Uniposをあまり使ってくれないかも」という人であること。そういった人をあえて選ぶことで、「先に巻き込んでしまおう」という狙いがありました。これは正解でしたね。
使用を強制せず、メンバーの自由意志を尊重
――Uniposに関するルールは決めましたか。
河内:お客さまに関する情報を詳細に書かないこと。それから、感謝だけでなく「がんばろう」のような応援、鼓舞などのメッセージも投稿OKにしました。社内で共有することに意味のあるメッセージであれば、どんどん投稿してほしいと思ったからです。
佐々木:あとは、先ほども申し上げたように「絶対に使用を強制しないこと」ですね。社員には自由意志で楽しみながらUniposを使ってほしかったのです。
社内が可視化されリモートワークのデメリットが補えただけでなく、今まで見えていなかった意外な嬉しい発見も
――Uniposの導入効果についてはどのように感じていますか。
佐々木:まず、「コロナ禍で社内が見えなくなった」という課題については十二分に効果が発揮されていると感じています。たとえばUniposでは「郵便物を仕分けてくれてありがとう」のような投稿がよく送られています。これって、まさに“同じオフィスにいないと見えない貢献”なんです。コロナで見えなくなっていたものが、Uniposで見えるようになりました。
▲同じオフィスにいないと見えなかった貢献が可視化
もう1つの課題である「部署間の連携不足」ですが、こちらはUniposのおかげで意外なことがわかりました。私がそれまで知らなかった「部署をまたいだ担当者同士の連携」が、Uniposで見える化されたのです。私は部署間がもっと分断されていると思っていたのですが、どうやら部署が違っても担当者同士は助け合いながら業務を進めていたようですね。
▲同じオフィスにいても見えづらかった「部署を超えた連携」が可視化
河内:当社は北九州市と福岡市の2拠点にオフィスを持っています。これまで、福岡オフィスからは月に1回、メンバーが北九州オフィスに来て情報交換や交流をおこなっていました。ところがコロナ禍で移動ができなくなり、今まで以上にほかの拠点で何が起きているのかわからなくなりました。また、リモートワークになったことで、業務で助けてもらった人にお礼を言いたくても、出社のタイミングが合わずに伝えられないということもありました。そうした課題がUniposによって解消されたと感じています。
さらに、当社は正社員のほかにパートさんも多くいるのですが、パートさんもUniposを積極的に活用してくれているのも嬉しい点です。パートさん同士が話し合いながら、創意工夫して仕事を進めていることが、Uniposで見えるようになりました。
マネジメント面でもUniposを有効活用
――マネジメントする立場として、Uniposの効果をどう感じますか。
佐々木:社員同士の助け合いが見えるようになったことは、マネジメントする上で非常によいことです。私だけでなく、部長など管理職も同じことを言っています。また、Uniposを通じてメンバー同士の相性や適性なども見えてくるので、組織編成や人材配置などにも活用できる可能性を感じています。
▲メンバー同士の関係性が伺える投稿も
――Uniposの費用対効果についてはどう感じていますか。
佐々木:Uniposは短期的に売上を伸ばすことが目的ではないので、費用対効果で図るのは難しいソリューションです。中長期で見たとき、サービスの向上などに確実に寄与してくれると思っています。
お客さまの声もUniposを通じて見えてくるようになった
――Uniposを見ていて印象的な投稿はありますか。
河内:当社では1つのお客さまに対して、支援領域ごとに担当者が異なります。そのため、お客さまからいただいた担当者へのお褒めの言葉を、別の担当者がUniposで「お客さまがAさんのことをこんなふうに褒めていましたよ」などと伝えることがあります。
具体的には、当社には70歳で現役のメンバーがいるのですが、その人に向けてお客さまから「あの方のように生涯現役でいたい」とおっしゃっていただきました。その言葉を受け取った社員が、Uniposを通じてお客さまの声を伝えていて、とても胸が熱くなりました。
これまで当事者以外にはなかなかお客さまの声を共有できなかったのですが、Uniposのおかげで、私たち周囲の者にもお客さまの声がわかるようになったのです。
ほかにも、社員同士のやりとりを第三者として見ていたメンバーからの「◯◯さんの優しさを感じました」という投稿や、導入翌日にメンバーが「ピアボーナスのやり方を覚えたら最初に送ろうと思っていました」と綴ってくれた投稿は印象に残っています。
Uniposで新入社員への歓迎も
また、新入社員が入ってきたときには「佐々木総研へようこそ」と歓迎するUniposが送られていたのですが、それを見て私自身、「Uniposをそんなふうに使えるんだ!」と驚きました。
導入推進リーダーは周りへのプレッシャーにならない塩梅で、利用の幅を広げるようなお手本となる
――河内様がUniposを使われる際、心がけていることはありますか。
河内:私は社内のメンバーからUniposのリーダーだと思われているので、それを意識して使っています。たとえば、私があまりにも投稿しすぎると、メンバーは「Uinposを使え」という圧をかけられていると感じてしまうかもしれないので、頻度は考えながら投稿しています。
また、業務中の投稿はよくないと思っているメンバーがいるかもしれないので、「業務中も投稿していい」ということを示すために私自身が業務中にUniposを送ったり、上長にもUniposを送って「上長や社長にも気軽にUniposを送っていいんだ」ということを行動で示したりしています。
佐々木:私はそのときの河内の投稿をよく覚えています。20代の河内から60代の部長にUniposを送っていたのですが、その内容が仕事とはまったく関係なく、部長のキャラクターを称えるような楽しい内容の投稿だったんです。その投稿を見て、周りも「上司に対してこんな気軽に投稿していいんだ」と思ったことでしょう。実際にその投稿をきっかけに、私や会長を含めた上長への投稿が増えたと思います。社員からUniposがもらえると、めちゃくちゃ嬉しいです!(笑)
――佐々木社長がUniposを使われる際、心がけていることはありますか。
佐々木:社長という立場なので、あまり投稿が特定の部署や人に偏らないよう気をつけています。また、社長だからといって上から目線で褒めることはしません。あくまでも人対人として、フラットな投稿を心がけています。
ハッシュタグの有効活用で楽しく飽きを防ぎ、名投稿まとめを使った「ピックアップ39(サンキュー)」や毎月の表彰で利用率を維持
――佐々木総研様はUnipos導入以来、非常に高い利用率を維持されています。活用されている皆様が飽きないために工夫されていることはありますか。
河内:利用率が落ちそうな兆候が見られたときは、ハッシュタグキャンペーンを実施しています。期間限定のチームハッシュタグを設定して、使ってもらえるよう呼びかけているのです。
(チームハッシュタグの設定画面はこちら)
たとえば昨年末であれば、「#2020年もお世話になりました」というチームハッシュタグで投稿を呼びかけましたし、バレンタインデーには「#チョコっとの気持ち」というチームハッシュタグで投稿を呼びかけました。バレンタインデーはチョコレートを渡すのが恒例行事になっていたのですが、コロナ禍では難しいということで、Uniposで代替した形です。こういった期間限定のチームハッシュタグキャンペーンをおこなうと投稿が増えて利用率が回復します。
また、ハッシュタグはメンバーが自由に設定できるようになっています。そのため、SNSのようなユニークなハッシュタグが生まれて、それがほかの人に伝播して流行る――ということもあり楽しいですね。
佐々木:Uniposの利用率を維持する工夫としては、名投稿をまとめる「ピックアップ39」という取り組みもおこなっています。よい投稿を導入推進メンバーが選び、月1回のZoom会議で発表しているのです。また毎月1人、すばらしい投稿をした人を選出して会長から表彰しています。
▲月1のZoom会議では佐々木会長から表彰も
Uniposは“誰一人置いていかないDX”を支援する仕組み
――Uniposの導入を検討されている方へメッセージをお願いします。
佐々木:当社は医療や介護事業のお客さまが多いのですが、そうした業種は今非常に大変な時期です。だからこそ、Uniposをお客さまにも広めていきたいと考えています。
台湾のデジタル担当大臣であるオードリー・タン氏は、DXについて「インクルージョン(包括)が重要だ」と述べています。包括、つまり「誰一人置いていかないことが大事」だということです。私はこの考え方に強く共感しています。そして、Uniposこそまさに誰一人置いていかないDXを支援する優れた仕組みだと思います。
――ありがとうございました。
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佐々木総研様のUnipos利用率は導入以来、一貫して非常に高い数字を維持されています。メンバーの皆様は自主的にUniposを活用され、利用者の偏りもなく、飽きも訪れていません。結果として組織状態が可視化され、リモートワーク下でのコミュニケーションが活性化するなど、組織づくりに効果が表れています。
佐々木総研様におけるUnipos活用の成功要因は2つあります。まず、導入を慎重かつ計画的に進めたことです。“絶対に使用を強制しない”という方針を導入推進チームで共有し、あまりUniposを使ってくれそうにない人をあえて現場浸透チームに抜擢するなど、導入計画が綿密に練られていました。
さらに、運用面でも“使用を強制しない”方針は維持しつつ、その上でメンバーの皆さんが“どうすれば自主的に使いたくなるのか”という点を徹底的に考えて、盛り上げ施策を実施されていました。
こうした妥協のない工夫の一つひとつが着実に効果を上げ、導入から現在に至るまで高い利用率を維持する結果へと繋がったのです。